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我が国経済は、輸出の拡大や企業の設備投資の増加により緩やかな回復を続けてきましたが、このところ景気回復は足踏み状態にあり、サブプライム問題に端を発する金融資本市場の変化、米国経済の減速や原油価格の高騰により、先行きに懸念材料が出てきております。
こうした経済情勢を背景に、融資姿勢の変化や建築価格の上昇、建築基準法改正による建築確認の遅れ等により厳しさを増している分譲事業はもとより、これまで大都市圏を中心に堅調さを維持してきた不動産流通市場においては、成約件数の減少、販売在庫の増加等変化の兆しがみられる一方で、少子・高齢化の進行等による住み替えの潜在的ニーズやストック重視、環境重視の社会的要請に応え、消費者が安心して円滑に住み替えが行えるよう的確に対応することが期待されております。
国の政策においても、昨年提言された「200年住宅ビジョン」を受け、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案」が国会に提出されるとともに、住宅履歴書の整備を始め長期にわたり住宅が維持され、流通するに際しての課題が幅広く検討されるなど、不動産流通業界への期待が高まっております。
以上の背景のもと、本年度は、不動産流通市場の持続的な成長に向け、消費者のニーズ、不動産流通市場の実情等についての調査研究活動の拡充、これらの成果を踏まえた政策提言活動の推進、本年度稼働する新ホームナビによる消費者の利便性向上と情報提供機能の充実、不動産取引の適正化を図り、不動産流通市場の信頼性を高めるための研修広報活動の拡充などが重要な課題であります。
以上の観点から、平成20年度においては、以下の内容を主要課題として、事業活動を展開することといたします。
1. 不動産流通促進に向けた政策提言
(1)住宅政策の新たな展開への対応
国等において、長期優良住宅の普及促進の前提として、住宅履歴情報の整備について検討がなされているが、これを不動産流通市場の透明性を高め、活性化を図る観点から、「流通促進研究会」において以下の内容を中心とした検討に取り組み、提言を取りまとめる。
- 住宅履歴情報について、住宅価格への反映等不動産流通市場における取扱い
- インスペクションの普及促進及び住宅履歴情報と重要事項説明制度との関係
(2)不動産取引の適正化等に向けた対応
国等の不動産取引適正化、コンプライアンス徹底へ向けての以下の検討に対し、関係団体との連携を図り、不動産流通現場の実情を踏まえた意見具申を行う。
- 重要事項説明制度のあり方
- 犯罪収益移転防止法及び反社会的勢力による被害防止への対応
- 消費生活用製品安全法改正等への対応
(3)不動産投資市場の事業環境の変化への対応
第二種金融商品取引業の登録完了に伴い、会員各社のニーズに応え、情報提供、セミナーなどを実施する。併せて、事業委員会内に「金融商品取引部会」を設置し、金融商品取引法施行に伴う対応や不動産投資市場の動向等についての情報交換を行う。
2. 住宅・土地税制改正要望
平成20年度は、住宅ローン減税制度等特に不動産流通に影響の大きい税制措置が期限切れとなる。期限切れとなる軽減措置等について延長及び改善の要望を行うと共に、消費税引き上げの動きを注視しつつ、不動産流通に関する税のあり方を含めて検討する。
また、平成20年度税制改正において認められた住宅の長寿命化促進税制の既存住宅への適用について要望を行う。
3. 住宅金融システムの確保と既存住宅融資への円滑な適用に向けた要望
住宅金融支援機構に対し、国民の住宅資金ニーズである長期・固定・低利のローンが安定的に供給される住宅金融システムが確保されることを要望していく。
また、「フラット35」について、住宅価額の上昇に伴う購入価額の制限の撤廃、引き上げ等全般的な要望と共に既存住宅における事前審査制度の導入、建物検査制度の簡素化等既存住宅流通の活性化へ向けた制度改善を特に要望していく。
不動産流通市場の担い手として、不動産流通を活性化し、信頼される流通市場を育成するための諸施策の検討、提言を行っていくため、消費者動向調査をはじめとした各種不動産流通に関する調査の実施を推進する。また、不動産流通についての調査研究への助成、研究成果等に対する表彰や、このための不動産流通研究助成事業資金(仮称)の設置について検討する。
1. インターネット事業の推進
新ホームナビシステムの稼働(本年7月予定)へ向け、ユーザビリティの向上、セキュリティの強化、拡張性・柔軟性の確保及びサポートの迅速化を基本方針とするシステム構築を着実に進める。また、不動産情報サイトの最新の動向を踏まえ、消費者向け・会員向け情報の拡充や利用促進のための事業等を推進する。
2. 不動産ジャパンの円滑な運営に向けての協力
不動産ジャパンの活性化に向けて設置された「不動産業における情報インフラの整備検討委員会」における検討結果を踏まえ、構成団体として必要な協力を行う。
3. 指定流通機構構成団体としての活動推進
不動産取引の透明性の確保が求められる状況で、指定流通機構の役割は一層重要になってきている。他の構成団体と連携し全国指定流通4機構の円滑な運営に努め、東日本レインズ次期システムの稼働(平成21年1月予定)に向け、システムの活用促進等の活動を推進する。
1. 教育研修活動の推進
市場を取り巻く様々な環境の変化や多様化する消費者ニーズに対応するため、実務知識の向上のほか、コンプライアンス意識昂揚のための研修を実施し、消費者から信頼される人材の育成を推進する。
従来の階層別研修を継続する他、金融関係等新たな研修テーマの検討を行う。
また、有益なテーマについて会員向けのセミナー、事業部会での講演等を適宜実施する。
2. 一般消費者向け広報活動の充実
当協会の活動や政策提言、各種調査結果などについてプレスリリースやホームナビを活用し、積極的に情報を発信する。また不動産流通業についての消費者の理解及び認知度を高めるため、一般消費者を対象としたセミナーを実施する。
3. 会員向け広報活動の推進
「FRK会報」により、様々な業界の動向や不動産関連情報をわかりやすく提供する。
「ホームナビ」会員向けページを活用し、迅速な情報提供を行うと共に、会員からの標準書式への照会事項、判例等についての情報提供を行う。
世界不動産連盟日本支部メンバーとしてアムステルダム世界総会及びハワイにおいて開催されるアジア・太平洋地域不動産会議(APREC)に参加する。また、NAR(全米リアルター協会)との親交を深めるなど、海外の有用な情報の迅速な収集を図る。
各地域の指定流通機構構成団体として、レインズの円滑な運営と適正なレインズシステムの利用を推進すると共に、支部会員のニーズに応え、研修やセミナーを実施する。
1. 不動産売買契約書等標準書式の充実と普及の推進
不動産売買契約書および重要事項説明書などのFRK標準書式について、宅建業法等の法令改正にあわせて迅速に情報提供を行うと共に、適宜様式の改訂を行う。
また、標準書式の導入を検討する新規会員等に対し、助言を行い、本書式の普及を推進する。
2. 行動綱領の順守によるコンプライアンスの徹底
業界の信頼性向上に向けて、レインズの適正利用及び不動産広告の適正化を含め、会報や各種の研修等を通じてコンプライアンスの徹底を推進する。
3. 公益法人改革等への対応
平成20年12月の公益法人改革3法施行を踏まえ、その実施状況を見ながら平成21年度以降速やかな公益認定に向け、公益事業の充実等所要の準備を行う。
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